1918年に芥川龍之介が児童向け文芸雑誌『赤い鳥』に発表した掌編。ストーリーはシンプルで、生前の行いにより地獄へ落とされたカンタダを釈迦が見て、彼に一つだけ、蜘蛛を助けるという善行があったことを思い出し、蜘蛛の糸を垂らして救いを差し伸べる。カンタダは蜘蛛の糸を辿って這い上がっていくものの、眼下に罪人が我も我もと糸を辿って登ってくるのを見て喚いた刹那、糸が切れて地獄にまた落ちてしまうというもの。
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宮沢賢治の逝去後、1934年に公開された長編童話。第1次稿から第4次稿まで7年ほど改稿が重ねられ、現在一般に知られるストーリーと最終稿は異なる場合がある。最大の違いはブルカニロ博士の存在で、第1次稿から第3次稿までは登場していたものの、第4次稿では彼のパートはすべてカットされた。
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